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ゼロからはじめるICO Ethereum(イーサリアム)

Ethereum ICO

2018.07.11
ゼロからはじめるICO Ethereum(イーサリアム)

ICOやトークンを語る上で、Ethereum(イーサリアム)の理解は欠かせません。今回はEthereumの基礎情報と特徴を解説します。

1.EthereumはDAppsやスマート・コントラクトを実行するためのブロックチェーンプラットフォーム

Ethereumは「分散型アプリケーションプラットフォーム(DApps)」や「スマート・コントラクト」を実行するためのブロックチェーンプラットフォームです。Ethereumではプラットフォームの内部通貨として「ETH(イーサ)」が存在し、スマート・コントラクトを実行する際にはGas(ガス)としてETHが消費されます。ETHは仮想通貨交換上で売買可能です。

1.1 Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏によって開発

Ethereumは、2013年にロシア人のVitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏によって、DApps・スマート・コントラクトを利用できる汎用的なブロックチェーンプラットフォームを構築することを目的として開発が進められています。現在は、Ethereum Foundation(イーサリアム財団)を中心に世界中の有志によって、オープンソースで開発が行われています。

ブロックチェーンは、日本語では「分散型台帳技術」と表現されるもので、暗号技術、P2P技術、トランザクション承認のコンセンサスアルゴリズムで構成されています。ノードが多数に分散しており、データの改ざんが極めて困難であること、単一障害点を持たないシステムを作れることがメリットです。

ETHと似た名称の仮想通貨に、ETC(イーサリアムクラシック)という仮想通貨があります。2016年6月に起こった 「The DAO事件」を契機にハードフォークと呼ばれる分岐が起こり、ETHが新たな通貨として誕生しました。一般的にEthereumと言う場合には、元祖EthereumであるEthereum Classicではなくハードフォークで分岐して誕生した新しいチェーンであるEthereumを指します。

1.2 仮想通貨ETHのマイニング報酬・手数料(Gas)

Ethereumがパブリックブロックチェーンプラットフォームとして機能するためには、ノードの公開とトランザクション処理(マイニング)の公開が必要です。上記処理を限られたプレイヤーで完結するモデルは一般に「プライベート型・コンソーシアム型」と呼ばれ、パブリック型はこれらのネットワーク維持行為を誰でも担うことが可能です。(プライベート型は厳密にはマイニングのようなインセンティブ設計は不要で独自のトランザクション承認アルゴリズムがあれば成立します)トランザクションの承認作業を「マイニング」、作業を行う人を「マイナー」と呼び、作業に対して、ETHがネットワークから報酬として支払われます。

マイナーは、日本語では「採掘者」と表現できますが、これは、誰よりも早く計算処理を行うことによって、承認作業を実施して報酬を得る点が、金などを採掘しているイメージと近いことに由来しています。Ethereumのパブリックブロックチェーンを使用して、ETHの送金や各種スマート・コントラクトを実行する際は、ネットワーク手数料としてGasを支払う必要があります。

1.3 ETHの価格変動

2018年7月2日現在の過去5年間のEthereum価格推移(チャート画像提供:モーニングスター株式会社 https://tokens.morningstar.co.jp/

ETHは仮想通貨取引所で売買されているため、その価格は需要と供給によって変動します。2015年1月時点では1ETHあたり1ドル前後で推移していましたが、2017年1月以降は仮想通貨への注目度の高まりとともに購入者が増えたことで価格は上昇し、2018年1月13日には1ETHあたり1413ドル99セントという過去最高額を記録しました。2018年7月現在は、1ETHあたり、450ドル前後で取引されています。

2 Ethereumの特徴

次にEthereumの特徴であるDAppsとスマート・コントラクトについて詳しく見ていきます。

2.1 分散型アプリケーション(DApps)

DAppsとはDecentralized Applicationsの略称であり、日本語では非中央集権・分散型アプリケーションと表現されます。DAppsの厳密な定義はありませんが、一般にはアプリケーションが暗号・分散化された分散台帳を利用し、中央のコントロールを受けないこと、が要件の1つとして挙げられます。

アプリケーションの利用に際して必要なトークンが発行され、トークンを軸としたエコシステムが設計されていること、ユーザー主体の意思決定プロセスも要件として挙げられます。トークンエコノミーの設計、オープンソースなどがこれに当てはまります。ビットコインが良い例で、マイナーによってネットワークは中央の管理者の存在なしに維持され、改善はオープンに意見を取り入れ、ビットコインを軸としたエコシステムが機能しています。

2.2 スマート・コントラクト

Ethereumにおけるスマート・コントラクトとは、自動実行されるプログラムの集合です。スマート・コントラクトという表現から契約の自動化と理解されることも多いですが、法的な契約とは別となります。トランザクション処理において相手方を信用することなく、システムがその実行を担保してくれるもの、とでも考えた方がしっくりくるかと思います。

スマート・コントラクトは、正確な処理実行は担保しますが、その前提となるプログラムの評価は、利用する前にユーザー側で実施しなければなりません。過去に、スマート・コントラクトの脆弱性を突かれ多額の資金が流出し、Ethereumのハードフォークの要因となった「The DAO事件」という出来事がありました。スマート・コントラクトは万能ではなく、予め決められた処理を分散ネットワーク上で実行し、処理結果を記録する仕組みです。

3 ERC20とICOトークン

トークンは、日本語では「証票」と言い表され、企業やプロジェクトが発行した「電子的な価値あるもの」を指します。例えば、ユーティリティ型トークンと呼ばれるサービスの利用権や、セキュリティ型トークンと呼ばれる、プロジェクトに出資をして配当を受けられる権利、などがトークンとなります。一般的な分散型アプリケーション(DApps)では、トークンを使ってサービスを利用します。

現在、世の中にある1,000種を超えるのトークンのうち、9割以上がEthereumのトークンで作られています。Ethereumにおいて発行されるトークンは、一般的にEIP20(ERC-20 token standard)と呼ばれる規格に沿っています。ERC20については、別途記事にして解説いたします。

ICO(Initial Coin Offering)は、DAppsプロジェクト開始前に資金調達をする際に、そのサービスで今後使われるトークンを発行して、投資家やユーザーに購入をしてもらうことで資金調達を行う手法です。現在ICOで発行されるトークンの大半がERC20規格のトークンであることから、ICOトークンの購入にもETHを利用することがほとんどです。したがって、ICOに参加してトークンを購入したい投資家は、仮想通貨交換所で事前にEthereumを購入する必要があります。

ただし、仮想通貨交換所は取引所が指定した仮想通貨以外の取り扱いに対応していません。ICOトークンを購入・管理するためには、投資家が「自身が秘密鍵を管理可能なコールドウォレット」を持つ必要があります。ICOに参加される場合も、「取引所のウォレット」からの申込みではなく、「自身で秘密鍵を管理するウォレット」を通じて参加する必要があり、注意が必要です。